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土井 美帆子どい みほこ

ゲノム診療科主任部長
(兼)臨床腫瘍科部長

専門

臨床遺伝
遺伝性腫瘍
がん化学療法
頭頚部がん,甲状腺がん,乳がん,肺がん,消化器がん
希少がん(胸腺がん,胸膜・腹膜中皮腫,小腸がん,肛門管がん,尿膜管がん,腹膜がん,GIST,神経内分泌腫瘍,神経内分泌がん,胚細胞腫瘍,悪性軟部肉腫,原発不明がん 等)

資格・その他

日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
日本臨床腫瘍学会指導医
日本呼吸器学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
広島大学大学院医系科学研究科客員教授

性腺外胚細胞腫瘍の治療

性腺外胚細胞腫瘍は,縦隔,後腹膜,仙骨尾,頭蓋内などの性腺以外の体の中心線上に発生する胚細胞腫瘍です。全胚細胞腫瘍の約2~5%を占めるまれな疾患で,縦隔および後腹膜原発は主に20~30歳代の青年期に,仙骨尾および頭蓋内原発は小児期に発症します。縦隔原発の場合は,呼吸困難,胸痛,咳など,後腹膜原発の場合は,腹痛,背部痛などがみられることがありますが,無症状で検診により異常を指摘される場合も多くみられます。血液検査では,AFP,β-HCG,LDHがマーカーとなります。組織型,発生部位,肺以外への転移の有無,腫瘍マーカーの上昇の程度により予後が異なります。組織学的にセミノーマ,非セミノーマに分類されますが,性腺外原発非セミノーマは予後不良(5生率48%)で治療抵抗性となる場合が多く,専門的なマネージメントが必要です。しかし,適切な集学的アプローチ(多剤併用化学療法,外科的切除)を行うことで完治が目指せる疾患です。