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濵井 宏介はまい こうすけ

部長

専門

呼吸器内科
肺癌の化学療法

資格・その他

日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医

肺癌に対する分子標的治療

肺癌に対する化学療法は2002年のゲフィチニブ(イレッサ)の登場により劇的に変化しました。それまで中心であった「がん細胞も死ぬが正常細胞も死んでしまう」殺細胞性抗がん剤から,「がん細胞を特異的に攻撃する」分子標的薬による治療が中心になってきています。ゲフィチニブは上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼという酵素を阻害する物質です。一部の患者さんに劇的な効果をもたらす半面,販売当初は間質性肺炎による副作用の多さが問題になりました。しかしその後の研究によりEGFRをつくる遺伝子に変異がない患者さんには効果がないことや,間質性肺炎を起こしやすい背景因子がわかるようになってきました。現在では間質性肺炎を起こしやすい遺伝子の研究も進んでいます。EGFR阻害剤はその後相次いで発売され,現在ではエルロチニブ(タルセバ),アファチニブ(ジオトリフ),オシメルチニブ(タグリッソ)の4種類が使用可能です。またEGFRと同様に肺癌を生じさせる遺伝子にALKがあります。ALKが他の遺伝子と融合することにより細胞が癌化することが解明され,現在ではALKを阻害する薬としてクリゾチニブ(ザーコリ),アレクチニブ(アレセンサ),セリチニブ(ジカディア)の3種類が使用可能です。分子標的薬は同じ分子を標的としていても,その効果や副作用に若干の違いがあります。どの患者さんにどの薬を使うのか,適応をしっかりと考えていく必要があります。