関節リウマチの薬物治療について
破壊性関節炎を特徴とする関節リウマチ(RA)は生命予後を短縮させる身近な難病とされ,わが国の患者総数は現在76万人といわれます。その原因は不明のままですが,治療は数年前には考えられなかったほどの進歩を遂げています。発症早期からメトトレキサートなどの強力な抗リウマチ薬が積極に使用されるようになって,症状消失や炎症マーカー正常化(臨床的寛解)が普通にみられるようになりました。さらにTNFやIL-6などの炎症性体内物質を阻害する生物学的製剤により,難治例の寛解導入や関節破壊の抑制・修復(画像的寛解)も可能になってきました。当院でも2004年から生物学的製剤を使用し高い臨床効果を確認しています。また紹介された患者さんに当院で生物学的製剤を導入し安定した後に紹介元へお返しする病診連携を行っています。強力な治療には感染症などに十分な留意が必要であり,副作用発現時には再紹介して頂き対処しています。