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杉本 洋輔すぎもと ようすけ

眼科部長(兼)小児感覚器科部長

専門

眼科
緑内障・網膜硝子体

資格・その他

日本眼科学会認定専門医
眼科PDT認定医

抗VEGF (Vascular Endothelial Growth Factor : 血管内皮増殖因子) 療法について

VEGFは脈管形成および血管新生に関与する一群の糖タンパクです。主に血管内皮細胞表面にある血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)にリガンドとして結合し,細胞分裂や遊走,分化を刺激したり,微小血管の血管透過性を亢進させたりする働きをもちます。正常な体の血管新生に関わる他,加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの病的な血管新生にも関与しています。

抗VEGF療法とはVEGF抗体を硝子体内に注射することで,脈絡膜新生血管の成長をおさえる治療です。現在,本邦で認可されている抗VEGF療法の適応疾患は加齢黄斑変性と近視性血管新生黄斑症,網膜静脈閉塞症,糖尿病網膜症です。

抗VEGF療法は日本では2008年に加齢黄斑変性に対して治療が可能になりました。その後,2013年から2014年には強度近視による新生血管,網膜静脈閉塞症と糖尿病網膜症による黄斑浮腫に対しても治療が認められた最新の治療法です。これらの疾患は何れも眼底に新生血管が作られることが関与しています。

抗VEGF療法ではVEGFに対する抗体の一部であるranibizumab(ルセンティスR)或いはVEGFの受容体とヒト抗体との融合蛋白であるaflibercept(アイリーアR)を硝子体に注射することによって,VFGFと血管内皮のVEGF受容体間の結合を遮断することによって 新生血管を縮小させます。 外来での日帰り注射ですので処置自体はすぐに終わります。治療には複数回の注射を要します。