肺がん

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肺がんの抗がん剤治療

はじめに

肺がんに対する治療は,がんの生物学的な特徴や,放射線療法や化学療法への反応から,非小細胞肺がんと小細胞肺がんに大きく分けられます。抗がん剤治療は,以下の3つの状況で行います。術後に再発を防ぐ目的で行う場合(術後補助療法),局所病変に対し手術で根治が難しい場合に放射線と併用して行う場合(化学放射線療法),再発や転移がみられる状況に対し進行を抑えたり,がんによる症状を和らげるために行う場合があります。ここ数年の間に,肺がんの分野では治療効果の高い薬剤が次々に登場し,また副作用に対する治療も進歩したため,がんの治療を外来で受けながら自宅で生活を続けていくことが多くなりました。当院では,最新の治療を患者さんに安心して受けて頂くため,臨床腫瘍科の専任の医師が,毎日外来での診療にあたっています。さらに,専任の看護師,薬剤師,緩和ケアチーム(緩和ケア専門医,がん疼痛緩和認定看護師など)が,協力体制をとり患者さんの身体的・精神的なサポートを行っています。当院外来で肺がんの化学療法を行ったのべ件数は,2009年491件,2010年473件,2011年582件でした。

非小細胞肺がんの抗がん剤治療

非小細胞肺がんの抗がん剤治療には,殺細胞性抗がん剤を用いた化学療法と,がん細胞の生存・増殖に関わる物質を選択的に抑える分子標的薬を用いた分子標的治療があります。化学療法を初回治療として開始する場合,プラチナ製剤(シスプラチン,カルボプラチン)と第3世代抗がん剤(ペメトレキセド,パクリタキセル,ドセタキセル,ゲムシタビン,ビノレルビン,塩酸イリノテカン,S1など)の2剤併用療法,さらに非扁平上皮癌の場合は,腫瘍の血管新生を促すVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを阻害する分子標的薬であるベバシズマブを併用した3剤併用療法を行います。以前は,肺がんの化学療法は入院で多く行われていましたが,現在では副作用の管理の進歩もあり,外来で安全に続けることが可能となり,当院ではシスプラチンを含む併用療法なども外来で行っています。一方,分子標的薬である,EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とした内服薬(ゲフィチニブエルロチニブ)やALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合蛋白を標的とした内服薬(クリゾチニブ)は,それぞれの標的に依存して増殖するがん細胞に特異的に作用することで,腫瘍の著明な縮小と進行抑制をもたらします(下図)。これらの薬剤により,一人ひとりのがんの特徴に合わせた「個別化治療」が可能となってきました。当院では,気管支鏡検査やCT下肺生検などによる肺がんの診断時に,得られたがん組織(細胞)に対してこれらの遺伝子について速やかに検索を行い,個々の患者さんに合わせた抗がん剤治療を選択しています。

全身転移をきたした肺がんに対するクリゾチニブ投与例(PET画像)

小細胞がんの抗がん剤治療

小細胞肺がんは進行が極めて早く,病巣が限られているようでもすでに全身に広がっていることがあるため,手術適応はI期に限り,術後には化学療法を追加します。その一方で,がんの分裂スピードが速いため化学療法や放射線療法がよく効き,約7~8割に縮小効果がみられます。がんが,片側の胸部に限られている場合(限局型)は化学療法に放射線療法を併用(化学放射線療法)して治療を行います。胸水の貯留や対側のリンパ節転移,遠隔転移を認める場合(進展型)は,化学療法のみ行います。化学療法は,プラチナ製剤(シスプラチン,カルボプラチン)とイリノテカンあるいはエトポシドの2剤併用療法を,3~4週間を1コースとして4~6コース行います。化学放射線療法を行う場合は,プラチナ製剤とエトポシドの併用療法に放射線治療を同時に,あるいは終了後に実施します。

肺がんの治療は,各病期に応じて推奨された治療法に基づいて行われます。当院では,外科的治療,放射線治療,抗がん剤治療,緩和ケアのうち,病期に関わらず個々の患者さんに適切な医療が提供できるよう,呼吸器内科,呼吸器外科,放射線診断・治療科,病理検査科,臨床腫瘍科からなる診療科カンファレンスを定期的に行い,診療方針を決定しています。また,当院では新たな抗がん剤治療の開発や,質の向上に努めており,以下のような臨床試験に参加しています。(≫≫臨床腫瘍科

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