乳がん

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化学療法(抗がん剤治療)

乳がんの多くは,比較的早期から「全身病」としての性質をもち,肺や肝臓,骨などの全身へ小さな転移の可能性があります。このため全身に作用する薬物療法は,乳がん治療において大きな役割をもっており,手術が可能な早期の乳がんにおいても,画像的にとらえることができない潜在的な微小転移を早期に根絶し,再発を抑え完治を目指すことを目的に薬物療法を行います。一方,術後の再発や診断時に乳房以外に転移がみられる場合には,がんの進行を抑えて長くがんとつきあっていくこと,がんによって生じる症状を和らげることを目的に薬物療法を行います。乳がん薬物療法には,内分泌療法(ホルモン剤),化学療法(抗がん剤),抗HER2(ハーツ―)療法(HER2をターゲットとした分子標的薬)があります。

  HER2(ハーツー)蛋白
陽性 陰性
ホルモン受容体 陽性 ・ホルモン療法
・抗HER2療法
・化学療法
・ホルモン療法
・化学療法
陰性 ・抗HER2療法
・化学療法
・化学療法

表1 腫瘍のタイプと治療選択肢

表1のように,ホルモン受容体とHER2蛋白の発現によって乳がんをサブタイプに分け治療を選択します。どの治療・薬剤を選択するかは,乳がんの進行度やがんのタイプ(病理学的な性質),患者さんの背景(年齢や合併症,希望など)によって決めます。化学療法はすべてのサブタイプにおいて選択肢となりますが,手術可能な早期の乳がんでは,病理学的因子から再発リスクが高いと予測される場合に術前あるいは術後に化学療法を行います。一方,再発・転移のみられる乳がんでホルモン受容体が陽性の場合は,内臓への広範な病気の広がりがなければ,まずホルモン療法を行い,ホルモン療法が効かなくなった時点で化学療法を行います。

当院は,平成18年8月24日厚生労働省が指定する地域がん診療連携拠点病院に指定され,臨床腫瘍科は同年7月にあらゆるがん(血液がん以外)を対象とした化学療法を専門とする診療科として新設されました。近年,乳がんにおいては高い有効性を示す抗がん剤が多数開発され治療成績は向上し続けています。乳がんの化学療法は,基本的に入院は必要なく外来で継続が可能であり,術前・術後の再発予防の治療だけでなく,手術不能な進行・再発乳がんの患者さんも治療を受けられています。一方で,抗がん剤は,ホルモン療法や抗HER2療法のような明確なターゲットをもたないため,がん細胞だけでなく正常細胞に作用し副作用が問題となります。治療効果を最大限に出し,QOL(生活の質)を最大限保つために,抗がん剤治療を専門とする医師(日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医),看護師(がん化学療法看護認定看護師,乳がん看護認定看護師,緩和ケア認定看護師など)や薬剤師(外来がん治療認定薬剤師など)等の専門・認定資格をもったスタッフで構成された化学療法チームがそれぞれの立場から副作用・合併症に対する支持療法についてわかりやすく説明し,安心して化学療法を継続していただけるように努めています。当科で加療中の患者さんには化学療法に伴う副作用や在宅療養生活に関する相談に電話での対応も実施しています。

全身状態の悪い患者さんへの化学療法や副作用の治療,緩和ケアへの移行を念頭に置いた症状緩和などは,入院で治療することもあります。当院の緩和ケアチーム(緩和ケア専門医,緩和ケア認定看護師など)により,化学療法の初期から,より専門的な緩和ケアを提供します。臨床腫瘍科の入院病棟である東6病棟は,平成27年4月より腫瘍センターとしてリニューアルされ,がんによる症状の緩和を目的とした姑息的手術,化学療法,放射線療法,化学放射線療法,緩和ケアといった集学的治療を提供しています。また退院後の在宅療養の質の向上を図るために,患者さんやご家族ならびに在宅サービス提供の医療者を交えて,調整を行っています。

また,最新の治療法や治療薬の開発を目指した臨床研究や臨床試験(西日本がん研究機構(WJOG),がん臨床研究支援機構(CSPOR)など),学会への参加を積極的に行い,新規化学療法の開発,化学療法の質の向上に努めています。

外来診療時間

午前8時30分~午後5時15分

※初診の方はかかりつけ医の
 紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
 午前8時30分~午前11時
休診日
土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日)
面会時間
11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)

〒734-8530
広島市南区宇品神田一丁目5番54号
TEL(082)254ー1818(代表)

①③⑤番

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