脳神経外科・脳血管内治療科

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脳神経外科だより(VOL.1)

1.三叉神経痛(さんさしんけいつう)

顔面の痛みには,特発性三叉神経痛,非定型的顔面痛,顔面や歯,脳の病気による痛みがあります。このうち,特発性三叉神経痛は,急で短い強い痛みが断続的に現れます。非定型的顔面痛は,持続的な顔の痛みがみられます。いずれも中高年の女性に多い傾向があります。このうち,特発性三叉神経痛についてお知らせします。

症状 突然,鼻や口の周囲などの一定の部位で激痛が生じ,数秒後には消失します。会話・食事・歯磨きなど,動きに伴って出現する特徴があります。歯の病気と間違われることもあります。
原因 多くは,脳の中で三叉神経(顔の感覚の役割)に血管が圧迫し,拍動とともに神経を刺激して,痛みが出現します。その他,三叉神経の走行異常や腫瘍が原因のこともあります。
検査 MRIの特殊な撮影にて,三叉神経への圧迫血管をみることができます。
治療 投薬など テグレトールという薬を飲むことで,まずは効果が期待できます。ただし,ふらつきや吐き気,眠気の副作用が出る方や,増量しても効果が乏しい場合もあります。次いで,神経ブロックの方法もあり,数ヶ月間は効果があり得ます。これは,ペインクリニックの医師が良いです。欠点は,繰り返し注射を要することや,しびれなど神経障害を生じ易いことです。
手術等 手術的に神経に圧迫した血管を離す方法もあります。これは,90%は完全に痛みをとるという根治性があります。欠点は,手術という侵襲を要し,ごく稀に顔面感覚異常などの合併症もあります。最近は,ガンマナイフ治療という放射線治療の試みもなされつつあります。

●脳神経外科からの一言

  • ○基本的には,侵襲の少ない治療が良いようです。ただし,薬物や神経ブロックで不都合な場合や,日常生活が顔面痛のため支障をきたすようですと手術をお勧めします。
  • ○当科では,一部髪の毛を剃る方法で,15~20日程度の入院期間,入院に伴う実費は一般的な方で約9万円前後です。

2.顔面けいれん

顔面けいれんとは,眼の周囲でぴくぴくした筋肉の動きが生じ,やがて顔半分に及ぶものをいいます。自分で意識して動きを止めることができず,中年以降のやや女性に多い傾向があります。眼の周囲のみの場合は,眼瞼けいれんといって,原因は分かっていません。

原因 脳幹という脳から顔面神経(顔の運動の役割)が出る部分で,血管が圧迫し,血管の拍動が神経を刺激して顔が小刻みに動くようになります。
検査 MRIの特殊な撮影にて,顔面神経への圧迫血管を確認できます。
治療 投薬など 薬物は,一般に効果が乏しいです。現在は,顔面に注射する方法と手術があります。注射の場合は,ボツリヌス毒素というものをけいれんする筋肉に注入することで,3~4ヶ月間の効果が期待できます。欠点は,繰り返す必要があること,軽度顔面神経麻痺を生じ目薬を要することもあります。
手術等 手術の場合は,約90%はけいれんが消失するという根治性が利点です。欠点は,全身麻酔にて侵襲的であること,稀に術後聴力障害が生じるなどです。

●脳神経外科からの一言

  • ○三叉神経痛とは違って痛みという苦痛は伴わないので,軽い方は放置または注射で良いと思われます。
  • ○人前の仕事などで緊張すると顔面けいれんがとても気になったり,絶えず生じて日常生活に支障を生じる方,顔面神経麻痺を伴うようになる方は手術をお勧めします。
  • ○若い方は手術,高齢者は注射という選択もあります。
  • ○当科の手術入院は,三叉神経痛と同様ですが,一部髪の毛を剃る方法で手術に安全を図るための術中聴力モニターを行い,15~20日程度の入院期間,入院に伴う実費も一般的な方で約9万円前後です。

外来診療時間

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