放射線治療科

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骨転移の放射線治療について

はじめに

骨はがんが転移を生じやすい臓器の一つで,多くのがんが進行すると骨転移を起こします。骨転移は痛みを伴うことが多く,がんの痛みの最も大きな原因です。また,転移を起こした骨はもろくなり骨折しやすくなります。背骨に転移した場合には脊髄を圧迫して神経麻痺を起こすこともあります。骨転移は遠隔転移のひとつであり抗がん剤やホルモン療法などの全身療法が治療の中心になりますが,病巣を縮小させて早期に症状を改善する方法として放射線治療は最も有効な方法です。骨転移に対する放射線治療には,病巣部に外部から放射線を照射する外部照射と注射によって体の内部から放射線を照射するストロンチウム治療やラジウム治療があります。

当院で放射線治療を行った骨転移の患者さんの数は,2015年72人,2016年56人,2017年58人でした。

外部照射について

(1)目的と対象

骨転移による痛みを軽減させることが治療の主な目的になります。症状がない場合でも今後,痛みが出る可能性がある病変,脊髄など神経を圧迫している病変,骨折を起こしやすい病変などは放射線治療の対象になります。全身のどの部位に病変があっても治療は可能です。

(2)治療方法

症状の原因となっている骨転移の病変に対して体の外部から放射線を照射します。1回の照射時間は数分間程度です。治療の回数は,病変の部位や範囲や患者さんの状態によって異なります。通常5~10回程度で行いますが,1回のみで行う場合もあれば20回程度で行う場合もあります。当院では,骨転移の治療に対してもなるべく放射線を病巣部に集中させ正常組織への線量が少なくなるようにしています。

(3)効果と副作用

約80%の患者さんで痛みの軽減が得られます。完全に痛みが消失することもしばしばあります。ただ,効果が出るまでには治療開始から2~4週間程度の時間を要します。副作用は治療部位や範囲や治療方法によって異なりますが,放射線の骨への影響は少ないため通常は軽度です。頸椎や胸椎への治療の場合は食道への影響による嚥下痛,腰椎や骨盤への治療では腸への影響による下痢や食欲低下が生じることがありますが一時的です。

(4)治療例

治療前(上腕骨に転移による破壊像)

治療後6ヶ月(破壊部位の骨の再生)

ストロンチウム治療について

(1)本治療の特徴と対象

ストロンチウム89という放射線を出す薬剤を注射する治療です。投与方法は静脈注射で,約4mlの薬剤を1回注射するのみです。ストロンチウム89はカルシウムと同じように骨に運ばれ,特にがんの骨転移部位に長くとどまります。ストロンチウム89から放出される放射線は,薬剤の集積部位から数mm程度しか届かないため,結果として病巣部に集中的に放射線を照射することが可能になります。この治療の対象となるのは,骨シンチ検査で病巣部に薬剤が取り込まれた患者さんです。病変の部位はどこにあっても治療は可能で,病変が広い範囲にあり外部照射を行うことが難しい患者さんに対しても治療は可能です。

ストロンチウム注射液

骨シンチ写真(濃い部分が全て病巣部)
一度に全病巣の治療が可能

(2)効果と副作用について

過半数の患者さんで,注射後1~2週間後から骨転移による痛みが和らぎます。全身の骨転移に対して効果を出しますが,骨以外の病巣部に対しての治療効果はありません。

副作用については,通常は自覚するようなものはほとんどありません。おもな副作用は,血液の中の赤血球,白血球,血小板の数の減少です。注射後約2ヶ月で最低値になり,その後回復します。ほとんどの場合は無症状で処置は不要ですが,注射後は定期的に血液検査を行う必要があります。その他,約10%の患者さんで,注射後2~3日に一時的に骨転移による痛みの増強が認められることがありますが,数日程度で軽減します。

(3)治療の注意点について

骨に集まらなかった薬剤を早く尿に出すために,注射前後の数日間は十分に水分をとって頂きます。この薬から出される放射線は5mm程度の範囲にしか影響を及ぼさないため,体内にある薬剤による周囲の人への影響はほとんどないと考えられます。ただし,注射後1週間くらいの間は血液と尿の中に薬が残りますので,血液や尿の取扱いに注意する必要があります。男性も座位で排尿すること。使用後のトイレの洗浄は水を2回流すこと。尿や血液に触れる可能性のある場合は手袋を使用すること。尿や血液が手についた場合は,必ず石鹸を用いて手をよく洗うことなどです。

ラジウム治療について

(1)本治療の特徴と対象

ラジウム223という放射線を出す薬剤を注射する治療です。ストロンチウムと同様にがんの骨転移部分に集まり病巣部に放射線を照射します。ストロンチウムとの違いは,対象がホルモン治療の効果がなくなった前立腺がんの患者さんに限られることと,注射を月に1回で合計6回行うことです。

(2)効果と副作用について

治療効果が出ると骨転移による痛みが軽減することと,生存期間が延長することが報告されています。骨以外の病巣部に対しての治療効果はありません。副作用については,ストロンチウムと同様で主なものは,血液の中の赤血球,白血球,血小板の数の減少です。

(3)治療の注意点について

ストロンチウムと同様に,注射後1週間くらいの間は血液と尿の中に薬が残りますので,血液や尿の取扱いに注意する必要があります。

外来診療時間

午前8時30分~午後5時15分

※初診の方はかかりつけ医の
 紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
 午前8時30分~午前11時
休診日
土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日)
面会時間
11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)

〒734-8530
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